スイス鉄道のように さま

スイス鉄道のように さま

Sekko · 2018-07-26 14:23:06 UTC+9 · 投稿 #1053

>>>>”普遍的価値”のなかに、”生産性”や”効率”は入りますか?
”富”、”出世”、”名誉”などはどうでしょうか?<<<<


生産性、効率、富、出世、名誉...これらのものは、特定の時と場所、場合によっては共有される「価値」でしょうが、これらのものを「普遍的価値」にしてはならない、というのが私の言いたいことです。


>>>竹下様は、普遍的価値というものをご著作等で語っておられるので、ご意見をうかがってみたいと考え、投稿させていただきました。<<<

私の言っているのは簡単に言うとこういうことです。

「西洋近代」がグローバル化した普遍主義は、実際の運用がいかに恣意に満ちたものであれ、キリスト教の根本にあった平等思想と平和思想とを宗教権威から奪い返した結果として生まれたものだった。(『神と金と革命が作った世界史』第四章 3 「明治日本と信教の自由」より)


そしてこの「建前」としての世界人権宣言のようなもの、日本憲法の前文にも採用されたようなもの、は、近代をキリスト教文化圏のヘゲモニーの中で迎えた非キリスト教文化圏にとっても有利なものです。だからこそ植民地支配から脱した多くの国もこれを採用しました。

生産性、効率、富、出世、名誉などは所詮、安全な場所で心身の健康な状態でいる人にだけ目指されたり期待されたりできるもので、たとえそれを得た人でも、一生キープできるようなものではありません。限定された期間と場所で戦略的に価値とされるのは分かりますし、必要なこともあるでしょうが、経済的なグローバルスタンダードを「普遍価値」と勘違いしてはならないと思います。

LGBTについても、そもそもこういうくくり方をすることに違和感を覚えます。
連帯することで不利益を解消するという一時的な方法としては一定の有効性があるかもしれませんが、性的マイノリティを包括したつもりで実は抜け落ちているものが多いし、なんといってもグラデーションであるし、生活の一部や一時期であってもすべてではないし。

例えば私は長い間視力が悪かったのですが、そして、この社会は視力が一定以下の人が裸眼で生きていけるようには作られていないので、絶えず矯正が必要でした。それでも、寝ている時とか、視力と関係のない時間があります。
LGBTのくくり方は、たとえて言えば近視、遠視、弱視、老眼などをまとめられるような気分です。そんなものをまとめて、そして視力のいい人に「フレンドリー」とか言ってほしくない。おおっぴらに差別をされないハンディというものと苦労して共存している人もいるし、カテゴリー分けすることでかえって別のマイノリティを締めだすこともあるのではと思うからです。視力が悪かったのに視野までせばめないように気をつけたいです。

マイノリティの差別撤廃や権利獲得などの戦い方は、それこそ、普遍主義に依って立たないと、「生産性」がどうのこうのという言説に落とし込まれてしまうので、試行錯誤しながら進めなくてはと思います。