ポンセの伝ヴァイスについて
最近(とはいっても昨年の9月のことですが・・・)パリ国立高等音楽院ギター課を首席卒業した松尾俊介氏が、マニエル・マリア・ポンセの伝ヴァイス集の譜面を現代ギター社から出版しました。運指付のものなのですが、例えばバレットなどは、発表当時、セゴビアがその演奏でハイポジションを多用した運指ではなく、ローポジションの運指が付されています。この贋作群の作品の価値は、いかほどのものか賛否が分かれるところですが、私は組曲イ短調やバレットを名作だと評価しています。ただ、演奏方法としては登場の時代背景を踏まえ、セゴビアの運指での演奏にこそ価値があると考えています。マルセロ・カヤトなど、現代の多くのギタリストが録音しています。これらの作品群の今の欧州での評価はどのようなものなのでしょうか。また、演奏するとすれば、セゴビアの運指復刻風の演奏をすべきなのではないものでしょうか。セゴビアの同時代人、例えば、タンスマン、テデスコ、トローバなどの演奏においても、セゴビアの文法を模した演奏は追及されてしかるべきもののようにも思うのですが、松尾俊介氏の譜面のような考え方は、これからの主流になるものなのだろうかと思案している次第です。