モトカーさまへ
まず、私のブログ記事からここへ来てくださった方に。
ブログに書いた当該記事はこの記事より二つ前のグラさんへの返事です。
以下モトカーさまへの返事です。
このような言説はあまり意味がないと思うのでスルーしてください。
陰謀論の一種のように、カトリックの有名聖女が実はユダヤ教の影響を受けていた、みたいな「面白いお話し」になっているのかもしれませんが、キリスト教はもともと旧約聖書を聖典にすることで「ユダヤ教」の影響を受けていますし、というより、もともとユダヤの聖典が成就したという形でキリスト教が成立しています。イスラムはその両者の影響を受けています。
アヴィラのテレサは私の好きな聖女で彼女について本格的な論考を書こうとアヴィラやトレドにも取材して準備していたのですが、クリスティ―ヴァに大作を書かれてしまったので仕切りなおそうと思ってそのままです。
テレサの父親は確かに改宗ユダヤ人の家庭に生まれて洗礼を受けた人で、その後ユダヤ教に戻って、さらに1500年(テレサの生まれる12年前)にカトリックに改宗しなおした人です。で、聖人伝や殉教者物語が好きで、幼い子供たちに読み聞かせていたらしく、テレサは大いに影響を受けてイスラムの地で殉教したがっていました。まだイベリア半島にイスラムの足跡が濃い時代です。
しかしそれよりずっと前、改宗しなかったユダヤ人がコンキスタドールで1492年にスペインから完全に追われた前後に、イベリア半島のユダヤ人コミュニティはルネサンスのカトリック世界に広がり、15世紀のルネサンス全盛期には、ユダヤのカバラに影響を受けたキリスト教カバラが生まれたり、プラトン主義、ヘルメス文書のグノーシス主義、魔術、錬金術などがハイブリッドな文化を形成していました。
まあそのような頽廃ぶりが16世紀の宗教改革の原因の一つになるわけです。
この辺の事情は『レオナルド・ダ・ヴィンチ 伝説の虚実』(中央公論新社)で少し触れました。
ですから、聖女テレサの神秘主義はもとよりハイブリッドなものではありますが、それを知性でねじ伏せる「知的腕力」みたいなものに私は惹かれます。
来年キリスト教の解説みたいなものを新書で出す予定なので、モトカーさんの質問も念頭に置いて書いていきます。ありがとうございました。
ブログに書いた当該記事はこの記事より二つ前のグラさんへの返事です。
以下モトカーさまへの返事です。
このような言説はあまり意味がないと思うのでスルーしてください。
陰謀論の一種のように、カトリックの有名聖女が実はユダヤ教の影響を受けていた、みたいな「面白いお話し」になっているのかもしれませんが、キリスト教はもともと旧約聖書を聖典にすることで「ユダヤ教」の影響を受けていますし、というより、もともとユダヤの聖典が成就したという形でキリスト教が成立しています。イスラムはその両者の影響を受けています。
アヴィラのテレサは私の好きな聖女で彼女について本格的な論考を書こうとアヴィラやトレドにも取材して準備していたのですが、クリスティ―ヴァに大作を書かれてしまったので仕切りなおそうと思ってそのままです。
テレサの父親は確かに改宗ユダヤ人の家庭に生まれて洗礼を受けた人で、その後ユダヤ教に戻って、さらに1500年(テレサの生まれる12年前)にカトリックに改宗しなおした人です。で、聖人伝や殉教者物語が好きで、幼い子供たちに読み聞かせていたらしく、テレサは大いに影響を受けてイスラムの地で殉教したがっていました。まだイベリア半島にイスラムの足跡が濃い時代です。
しかしそれよりずっと前、改宗しなかったユダヤ人がコンキスタドールで1492年にスペインから完全に追われた前後に、イベリア半島のユダヤ人コミュニティはルネサンスのカトリック世界に広がり、15世紀のルネサンス全盛期には、ユダヤのカバラに影響を受けたキリスト教カバラが生まれたり、プラトン主義、ヘルメス文書のグノーシス主義、魔術、錬金術などがハイブリッドな文化を形成していました。
まあそのような頽廃ぶりが16世紀の宗教改革の原因の一つになるわけです。
この辺の事情は『レオナルド・ダ・ヴィンチ 伝説の虚実』(中央公論新社)で少し触れました。
ですから、聖女テレサの神秘主義はもとよりハイブリッドなものではありますが、それを知性でねじ伏せる「知的腕力」みたいなものに私は惹かれます。
来年キリスト教の解説みたいなものを新書で出す予定なので、モトカーさんの質問も念頭に置いて書いていきます。ありがとうございました。