誤解を招いたかもしれません。

誤解を招いたかもしれません。

sekko · 2017-11-25 23:06:09 UTC+9 · 投稿 #1023

その本というのは私は読んでいないので何とも言えませんが、

>>あれだけ多くのパリジャンたちを眺めていても、「ふむっ」となるのは移民のおじさんたちばかりというのも非常に興味深い。彼らは深いしわに刻まれた年輪以上に想像を絶する歴史を抱えていたりする。若者おじさんでも、笑顔の奥で深い哀しみをたたえていたりする。彼女は取材相手に寄り添い、その眼はとてもあたたかい。受け入れて共感してもらえると、取材相手も心をほぐす。最後には「孫娘になったような気持ちで」おじさんに肩を抱いてもらう。<<

という「彼女」とは、著者であるインタビュアー・ライターで、『働く動物と』とか『達人観察図鑑』などを書いている方です。つまり、よくある有名人やスポットライトの当たった人でなく、市井の無名の達人の言葉に新鮮な真理を見出そうというタイプの方で、『パリのすてきなおじさん』もその延長にあるのでことはよく理解できます。でも、

「受け入れて共感してもらえると、取材相手も心をほぐす。最後には「孫娘になったような気持ちで」おじさんに肩を抱いてもらう。

という内容なのだったとしたら、そこになんとなく上から目線を私は感じたのです。有名人や権力者にインタビューするなら、こういう書き方にはならないだろうなあと。これは読者レビューなのでますますわかりにくいですが、相手が「目上」であれば、警戒心も働き、相手や読者に誤解もされないように「肩を抱いてもらう」ことなどしないだろうなあ、とも思います。

いや、ますますわかりにくいかもしれませんが、私のつっこみたくなったのは、「こんな人たち」にではなく、ましてや詩織さん(彼女がパリに行ったわけではない)がこの本煮取り上げられ人たちに共感したことではなく、このインタビュアーの描き方、見方、チョイス、タイトル(これは出版社の意向かもしれませんが)の方です。

詩織さんも「こんな人たち」に「優しいまなざしを向ける」という上から目線でなく、多様な価値観の共存とその言語化に共感したのだと思います。

もっとも、「脳内オヤジ」としての私の好みからいうと、詩織さんには「50歳のハゲのクスクス屋のおやじ、かたや92歳の競馬場通いのおじいさん」よりも、弱者のために戦う男たちと連帯してほしいし、肩を抱いてくる権力者たちはばったばったとなぎ倒してほしいですけれどね。

もっともこの本で「50歳のハゲのクスクス屋のおやじ、かたや92歳の競馬場通いのおじいさん」などの「こんな人たち」が日本人だったのなら「すてきなおじさん」としてインタビューしてもらえたのかどうかは疑問ですが。

こんなことを書いたら、私はエリートばかりとつき合っているので「市井でまっとうに生きている人」に対してそれこそ「上から目線」なのだ、と誤解されそうですが、そんなことはありません。肩を抱いてほしいとは思いませんが、もし無理やり肩を抱かれるシーンに遭遇するなら、権力者に肩を抱かれるよりはましだろうと思いますけれど。

権力者がより尊重されるべきか、というのにフランスが3位というのは驚きです。

フランスは今でもフランス革命のアイデンティティが国是なので、一般には権力者嫌いだからです。

でも、「嫌い」だからこそ、尊重すべきだという傾向は理解できます。

「好きでないものでもリスペクトする」というのはこれもかなりの合意事項なので。(「尊敬」と「尊重」はまったく違います。規則を尊重するのと尊敬するのとが別物であるように)

ブログの記事を楽しみにしています。