またギリシャ

またギリシャ

迷える大羊 · 2011-10-13 19:22:34 UTC+9 · 投稿 #656

また、ギリシャ話でなんですが、

ギリシャについては、ドイツ、フランス、オランダ、フィンランド、などの「働き者の勝ち組」系から、粉飾決算という詐欺まがいの手でEUに潜り込み、借金し放題で、優雅な生活・・・

というのが通り相場ですが、そう単純でもないみたいですね。元ダネはこの本。

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E3%83%AB%E3%83%9D%E3%80%8C%E7%A0%B4%E7%B6%BB%E3%80%8D%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%8F-Mainichi-Business-Books-%E8%97%A4%E5%8E%9F-%E7%AB%A0%E7%94%9F/dp/4620530247

今、論じられているギリシャ像は西側先進国のエコノミストのそれが中心で、当然、数字を中心に議論していくわけですが、ギリシャの場合、その数字がまるでアテにならないそうで・・。

ギリシャ問題の発端は財政赤字のデータが大幅に改ざんされていたという事実が公表されたことですが、これについて市場は驚いたが、EUの事情通やギリシャ国民は全く驚かなかったそうです。ギリシャ社会をよく知る者にとって、ギリシャの統計が信用できないのは暗黙の常識らしく。まあ、この辺は中国の統計についてもいえるんですが・・

EU本部も、それほどお人よしでもなく、ハナからギリシャの統計データを信用していない、あえて、問題視しなかったのは大問題になるのを避けるために黙認していた、んだそうで・・。それなのに、空気の読めないパパンドレウ首相はこの粉飾の事実を公表した。それがどの様な結果をもたらすか考えずに・・、ということだそうです。多分、旧政権の悪を暴く、というスタンドプレー、と思われますが。


多すぎる公務員の問題も「公務員の人数をギリシャ政府は正確に把握していない。国家統計局の推計では114万人(労働人口の21%、雇用者の3分の1にあたる)だが、実際は調べたことも無く、ギリシャ政府は実数を知らなかった。」
とのこと。

「労働省の官僚は語る。
「新たな政権ができると、閣僚の顧問や局長職は総入れ替えになり、それぞれの閣僚や次官ら政治家たちが、好きなように身内や友人、支援者、または自分で探し出してきた人物をそのポストに招く。こうした人々は『臨時雇用』という形で来るが、この国の問題は彼らがいつの間にか『正規雇用』になっていて、政権が交代しても解雇されないこと。前から同じポストにいた人はどうなるかと言うと、解雇されず、別のポストに行くか、ひどい場合、同じ局長ポストに2人がいるなんてこともある。当然2人分の仕事はないから、前の人達は職場に来なくなり、給料だけもらい続ける幽霊公務員となる。私たち労働省の中でも全体の職員が何人いるのか、どういう構成なのかよくわかっていない。」。

働かずして給料だけはもらい続ける「公務員」がいるんですね、やっぱり羨ましいと思えますが、こちらが考えるほどには、おいしい思いをしているわけではないようで、

『ドイツのメディアなどは「勤勉なドイツ人とさほど変わらない給料をもらいながらまったく働かないギリシャ人をなぜ救わなければならないのか」と言う。

限られた体験からの印象では大半の公務員の給料はEU諸国よりかなり少ない。もしかしたら、公務員給料の総額から計算すると給料が高くみえるが、公務員の実数が公表数よりかなり多いため、一人当たりの給料はさほどでもないのかもしれない。
事実、正業では食べられず、副業を掛け持ちして長時間労働をする人達が数多くいる。OECDの調査ではギリシャの平均労働時間がEU諸国の中で最も長い。』

やはり、国民労働一般の労働時間は長いようです。もっとも、

『ただし、自己申告を基にしているので信用できるかは疑わしいが。』

とのオチもついてますが・・。

ギリシャについては、冒頭で述べた通り、西側先進国のエコノミスト中心の議論が主で、ギリシャ側の事情を中心にした話ってなかなか見当たらないように思えます。そんな中で、この本、なかなか貴重な一冊だと思えますけど、どうですかね。