映画「沈黙」について

映画「沈黙」について

水蓮 · 2017-02-06 00:13:34 UTC+9 · 投稿 #904

竹下先生、こんにちは。私も「沈黙」の劇場公開を楽しみに待っています。

確か1970年代に日本の監督が「沈黙」を映画化したものをずっと後からビデオで観ましたが、製作者側がテーマを理解しないうちに作ったのか、「映画として」まとまりがなく、また(私には)緊張感も感動もなくガッカリしたのでした。日本人がこのような題材をとりあげると、欧米「受け」を狙ってしまうのか、変な「色気」が出て、単に(欧米人から観た)日本の「異国情緒の魅力」(と日本人側が思っているもの?)だけを前面にだした映画だと感じました。

…ということで、スコセッシの「沈黙」は、カトリック文化をもつ製作者による「解釈」ということで大いに期待しているのですが。

私はフランス語のカトリック系メディアは読まないのですが(Manif pour tous系みたいなのばかり?)「沈黙」の制作には、米国人イエズス会士のJames Martin神父が宗教監修としてかかわったことは報道されていますか?主人公役の二人の俳優は同神父から一年間指導を受け、聖イグナチオの霊操も、一週間完全沈黙の黙想も体験しています。「イエズス会士ならそんな言い方はしない」と、セリフの調整もかなりあったそうです。(既にご存知でしたら余計な情報でしたが。)

主演男優にひとり、Andrew Garfield アンドリュー・ガーフィールドが米国の人気TVトークショーで「沈黙」について話していました。(一般的な番組ですが、教会に行くカトリック信者で日曜学校の教師であることを「カミングアウト」しているStephen Colbertスティーブン・コルベールが司会)。英語がOKでしたらYouTubeで Andrew Garfield Went Quiet For a Week Preparing for Silence で検索してご覧下さい。スコセッシとマーティン神父の対談のビデオもYouTubeにあります。

ガーフィールドが、そのトークショーで「何についても確信しているというのはとっても恐ろしいことだ・・・信仰の生涯とは疑いの生涯でもある。確信していることで、『オレは分かってる、お前は分かってない!』とイデオロギーの戦争になってしまう」と言ったのが印象に残りました(観客も喝采)。俳優にここまで言わせた、ということで、私の中ではすでにスコセッシ版「沈黙」は合格なんですが(笑)、実際に劇場で観てどう思うことでしょう…。竹下先生のレビューを楽しみにしています。