「一木一草」のこと

「一木一草」のこと

グラ(愛犬の名称) · 2013-06-19 06:02:40 UTC+9 · 投稿 #768

お忙しいところ、早速にありがとうございます。
「一木一草にも、天皇制が宿っている」という表現は、「孫引き」です。申し訳ありません。
出典を明らかにしておきます。
井上良雄著 「戦後教会史と共に」 1995年12月25日第一版第一刷発行 新教出版社
P362
「裕仁天皇と私」、「この世と妥協してはならない」の解題・解説として、井上先生ご自身が記されております。
以下に関係箇所を転載いたします。
『天皇制の問題は、もちろん国の制度の問題でもあり、政治の問題でもあるが、しかし私たちキリスト者にとってさらに重要であり困難なのは、竹内好氏が芸術との関係で言ったように、天皇制がこの国の「一木一草にも」宿っているという点にある。それは、日本人の精神構造の根本にあるものとしての天皇制の問題であり、さらには国家の権威の所在としての天皇制の問題である。そのようなものとしての天皇制が、敗戦後五十年近くたって象徴天皇制下の今日においても健在だという事実を、一九八八年九月以来の一連の出来事は、あらためて私たちに示した。そして、そのような天皇制からは、私自身をも含めて恐らく日本のキリスト教も、完全に自由ではないだろう。したがって、これは、日本での困難な福音宣教の戦いと裏腹の関係をなしつつ、日本の教会が今後長期間にわたって担い続けなければならない問題だろう。いずれにしても、それは、「天皇制なんかもういらない」というようなことで片付く問題ではないのである。 一九九一年七月』

私は、原発事故が人災であり、人災を防げなかった背景には文化の問題があり、その根っこにはこの「一木一草」問題を感じております。

竹下先生の一連の著作を読んで感じていることは、フランス文化という硬質なフィルターを通して、日本を(積極的な意味で)見直そうという姿勢と、それを極力分かりやすい日常語で伝えようという努力を感じております。
その意味でも、とても新鮮な気持ちで、読ませていただいております。