レオナルド・ダ・ヴィンチ 伝説の虚実

本の紹介
創られた物語と西洋思想の系譜万能の天才、魔術師、同性愛者、両性具有者、秘密結社の首領… ルネサンス以降、様々な妄想により紡がれたレオナルド・ダ・ヴィンチをめぐる伝説の背景と系譜を西洋思想の地下水脈から検証する。
『ダ・ヴィンチ・コード』の関連書はたくさん出ていますが、個々の領分についてコメントをつけたものばかりです。唯一、大きな世界観にたって『ダ・ヴィンチ』をめぐる伝説について分析した作品です。
ダ・ヴィンチをめぐる伝説の生成背景と系譜を検証
「ひとりの芸術家が、今日に至るまで、なぜ様々な物語の主人公にされてしまったのか」に着目、ルネサンス以降、どのような形で生まれ、どのように変わっていったかを検証する。ダ・ヴィンチ本の多くが謎解きや暗号解読に振り回された雑多な内容ばかりのなかにあって、ダ・ヴィンチが生きた時代とキャラクターが西洋思想の大きな流れに取り込まれやすかったかを解読する画期的な論考です。
ルネサンス以降に紡がれた様々な知識人の妄想
ダ・ヴィンチについて最初の評伝を書いたヴァザーリの創作にはじまり、フロイトの誤読、憂愁の世界に妄想したボードレール、ヴァレリーの誇大評価、世紀末の徒花ペラダン、さらに『レンヌ・ル・シャトーの謎』、『ダ・ヴィンチ・コード』などアングロサクソンによる異端・陰謀史観にみられる類似性を指摘し、数世紀にわたってダ・ヴィンチの物語がいかに増幅されていたかを多くの図版と資料により解説。
書誌情報
- 出版情報
- 中央公論新社 (2006/05) ¥1,900+税