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本の正誤表このコーナーは、私のこれまでの本で拭いきれなかったさまざまなエラーを訂正することを目的としたものです。エラーには、単純ミスや誤植、漢字変換ミスの見落とし、不注意、勘違いなどいろいろあります。たいていのものは、読者の方にも明らかなエラーだと気がついてもらえるのですが、著者も、一度気づいてしまったら気になって仕方がありません。まとめて正誤表を作ろうとずっと思ってきました。版を重ねたり増刷したものについては、その都度、エラーを訂正しています。それでも残るものがあります。読者の皆さんにご指摘していただいたものはありがたく訂正させていただいています。前のサイトが管理人さんの病気と逝去によって機能しなくなった後でいただいた「読者のおたより」でも指摘していただいたものがありました。ここで紹介させていただきます。連絡先:Forum 3
講談社新書『ジャンヌ・ダルク−超異端の聖女』P179の10行目一九三〇年というのはもちろん一四三〇年の誤植です。 何年も前から読まれていて増刷も重ねたのに最近はじめて指摘されました。
ちくま新書『キリスト教の真実』p85教皇グレゴリウス1世によりイングランドに派遣されたベネディクト会士アウグスティヌスの生年−没年がアウレリウス・アウグスティヌスのものになっていたことをすぐに指摘してくれた人がいたのですが、重版には間に合わず、3刷りから訂正してもらいました。カンタベリーのアウグスティヌスと呼ばれるこの人は、生年が不詳で、没年はグレゴリウス一世と同じ604年です。文脈からどの時代の人か分かるので私は原稿に入れなかったのでチェックもしていませんでした。大きな誤解はないと思いますが申しわけありません。 後3刷りで訂正したのは、 1)p.83の7行目 「フン族」を削ること。 2)p.108の2行名 「東ローマ帝国」→「神聖ローマ帝国」 3)p.181の5行目 「神聖ローマ帝国」→「西ローマ帝国」 2)と3)は単純ミスですが、世界史を勉強している人などには迷惑だったと思います。 1)は、フン族ではなく七世紀には何度もアウストラシアによって破壊され、八世紀にはサラセン人に焼かれています。ここで関係ある修道院は二つあって、焼 かれた年ももちろん分かりますが、このあたりは、もともと細かいことを書きこんでも煩雑になるばかりなのでたたみかけて書いたものなので、新版では ブルゴーニュの修道院も何度も破壊され、 とだけしてもらいました。
講談社選書メチエの『弱い父ヨセフ』に関するものです。竹下節子様 「弱い父ヨセフ」を拝読致しました。私はプロテスタントの教会に所属している者です。それ故、カトリックの在り様にと やかく言うのも気が引けますが、長い歴史の中で人間にある様々な事情によって、ヨセフの扱われ方が大いに変化している事をこの書を通して知らされました。 信仰的には、神がこれほどまでに周到に備えてくださっていたということでしょうか。クリスチャンではありますが、カトリックについてはほとんど知らないた め、聖者とされている者が信仰の対象とされて祈られたり、とりなしを求められている事など、民衆に近づいているようにも感じられる面もありますが、信仰の 在り方の違いに新鮮な驚きを持って読ませて頂きました。ヨセフについての書物ではありますが、キリスト教の歴史のある側面を知る上で大変興味深く、特に各 時代に於ける哲学との関係や影響などもよく調べて下さっているようであり、随分と参考にもなりました。 ところで、一箇所気になる表現がありま した。24ページの4、5行目にある「すべてのユダヤ人は、アダムとイブの子孫であるアブラハムの十二人の息子を先祖とする十二部族のいずれかに属してい ることになっているのだから、」との記述は、気持ちとしては解りますが?実際はヤコブの12人の息子ですよね。この点が気になりましたのでお 知らせします。 Toshi ご返事Toshiさん、ありがとうございました。ヤコブの間違いです。 明らかな単純ミスは別として、不注意による間違いはこの場所で正していきたいと思いますので、お気づきの方は引き続き、上記のアドレスにお知らせ下さい。これから少しずつ、書いていくつもりですが、一つだけとても印象に残った不思議なエラーがあるのでそれだけまず書いておきます。
『ノストラダムスの生涯』朝日新聞社1998の、P170 の3行目にある心理占星術の「リズ・ブラウン」は「リズ・グリーン」のエラーです。どこでグリーンがブラウンになったかというと、今でもはっきり覚えているのですが、ゲラの段階で自分でグリーンをブラウンに訂正したのです。なぜだか自分でも分りません。魔がさした? 突然すごくエラーっぽく見えたのです。 で、本ができてからショックを受けました。しかもリズ・グリーンの『占星学』などは、当時一緒に仕事していた鏡リュウジさんが翻訳しているのです。すごくあせりました。彼が私の本をすぐに読んでくれることは明らかだったからです。さっそく彼からは「材料の料理の仕方が秀逸」とほめてくれた便りが来ました。私はあわててグリーンがブラウンになったことを弁解しながら書きました。すると、彼は、気にならなかった、リズ・ブラウンという人もいるのだと思った、と答えてくれたのです。しかし、こういう「言い間違い」は、まさに深層心理を反映していると言われますので、ユングに強い鏡さんと、私が「緑」を「茶色」に変えてしまったのは一体どういう心理を表わしているのだろう、と話したことを覚えています。同時に、鏡さんのような専門家が読んでも、グリーンがブラウンになるほど堂々と間違っていれば、そういう人もいるのか、と思ってくれることがあるのも、それはそれですごいことです。活字になったものにはそれなりの説得力があるということで、本当に責任を感じました。今なら、誰でもネットにアクセスして簡単に検索することのできる時代ですから、多くの人が、「何、これ? グリーンじゃないの?」と不信をもたれたかもしれません。逆に、今は、検索が簡単だから、出版社の校閲の人がちゃんとチェックしてくれるだろうという安心感や甘えができて、自分の確認がおろそかになることもあります。 気をつけたいと思いますが、ご指摘してくださればありがたいと思います。
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